読書感想文

平井美穂『ソ連兵へ差し出された娘たち』でディティールに宿るやるせなさを嚙みしめる

平井美穂『ソ連兵へ差し出された娘たち』集英社を読みました。満州で起きた悲劇のあらましは、タイトルを一読してすぐ想像できてしまう人が多い気がします。戦争ってそういうものだよねと訳知り顔をしていた自分がいた気もします。ただ、筆者が丹念に取材して...
読書感想文

下山進『がん征服』が専門家にガチで仕掛ける“まともな論戦”

“論戦”をむやみに見かけるようになったSNS時代ですが、だからこそ逆に“まともな論戦”はめったに見かけなくなってしまったSNS時代。そんな時代に、“まともな論戦”をガチで仕掛ける姿に震えるな、この人はペンの力を信じているのだなと、姿勢を正し...
Web技術

学習006 Google ブックスのAPIを利用して書影などを表示する

AmazonアフィリエイトのAPIを使わずに、著作権完全クリアで書影を表示するため国立国会図書館サーチのAPIを利用していました。しかし、例えば、ダン・アッカーマン『テトリス・エフェクト』の書影が登録されていなくて表示できず、しょんぼりして...
読書感想文

J.D.ヴァンス『ヒルビリー・エレジー』でトランプ2期目に備える

ドナルド・トランプのアメリカ大統領復帰という可能性に向けて読んでおくべき本が、J.D.ヴァンス『ヒルビリー・エレジー アメリカの反映から取り残された白人たち』です。トランプ大統領が誕生した2016年にアメリカで出版され、トランプ大統領誕生の...
読書感想文

石浦章一『王家の遺伝子』を読んで“人種”についての理解を深める

米国第3代大統領トーマス・ジェファーソンは奴隷との間に子どもをもうけていた可能性が極めて高いことがDNA解析によって分かったそうです。人種差別問題についてしっかり考えなければと思っていましたが、思わぬ本で、“人種”の定義すらまともに理解していない自分の認識不足を突きつけられました。
読書感想文

下山進『アルツハイマー征服』で学ぶ新薬開発の大変さ

アルツハイマー病治療薬の開発とアメリカFDAでの承認に向けての道のりを描いた下山進 『アルツハイマー征服』が上梓されたのが2021年1月で、FDAで承認されるかどうか関係者が息をのんで待っているというタイミングでした。発売後すぐに読んでいたので、本に登場する青森の家族性アルツハイマーの一族にすっかり感情移入してしまって、FDAの判断をドキドキしながら待っていました。
読書感想文

学習005 読書感想文で作家とつながる

読書感想文をネットの海に漂わせておいたり、講演会で質問などの形に凝縮して伝えると、様々な形で作家とつながることが少なくありません。
虎に翼

九段理江『Schoolgirl』と朝ドラ『虎に翼』で“支配”について考える

九段理江トークイベントを見聞きした結果、いかにして身体=本能を言葉=理性の支配下におくか?が、九段さんにとって極めて重要なテーマなのだろうなと感じました。
読書感想文

ウォルター・アイザックソン『イーロン・マスク』で判明した宇宙開発に情熱を注ぐ理由

ウォルター・アイザックソン『イーロン・マスク』を読んで、ここ5年ほどの疑問がやっと解消しました。【疑問】アポロ世代じゃないイーロン・マスクが、宇宙開発事業にこれほど情熱を注ぐのはなぜ?ジェフ・ベゾスがAmazon.comで稼いだ金を宇宙開発事業に投入する気持ちは、なんとなく理解できます。
読書感想文

小野寺拓也 田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読んで娘と語り合う

比較的読みやすそうな岩波ブックレットなので、歴史修正主義に対するワクチンとして子どもたちに読ませると良さそうだと、まずは自分で読んだ次第。中高生が背伸びして読むのにちょうど良い感じです。